循環器内科について
概要
循環器部門は昭和58年開院の際は、内科の1部門として開設され、その時代の最新の設備を導入し、医療、医学の各分野で成果を挙げるべく努力を重ねてきました。その成果が認められ、平成6年に、内科・外科の隔てなく患者に最もよい治療を効率よく完遂することを目標に、循環器内科と心臓血管外科が新設され、循環器診療部門として独立しました。
個々の症例において循環器科と心臓血管外科でよく議論した上で、最善と考えられる治療をそのほかの治療も含めて御本人と御家族に御説明し(インフォームドコンセント)これらの治療を行ってます。集中的で高水準の循環器治療環境を実現し高い評価を得ております。
現在の循環器科のスタッフは稲垣部長、福澤副部長以下、計9名で、さらに数名の研修医がローテーション配属されております。 病床数は循環器内科、心臓血管外科あわせてCCU3床と一般床46床、さらに救命救急センター内に10床以上を有し、24時間の循環器当直体制を敷いて、急性心筋梗塞、急性大動脈解離や不整脈などに常時対応できるようにしています。
近年の冠動脈インターベンションは500例前後、総カテーテル件数は1400例前後と高い水準を示し、PCIの初期成功率は98%と高く、PCI後の再狭窄率はDESの導入により激減しています。末梢動脈に対するインターベンションも増加しており、近年には50件前後施行しています。さらに血管内治療のみではなく、不整脈に対する侵襲的治療も積極的に取り組み、平成18年からはCARTOシステムを設置して、EPS、アブレーションの症例数も飛躍的に増加しています。またICDの植え込みも平成8年に施設認定されて以来、積極的に導入されており、今後心室再同期療法とともにますます増加することが予想されます。
当循環器内科では治療のみならず、非侵襲的診断法にも力を入れております。とりわけ、心臓核医学検査は冠動脈造影にいたるまでの重要なスクリーニング検査であり、また、リスク層別のための大事なモダリティとして、非常に有用なことはいうまでもありません。近年においては900例以上に及ぶ負荷心筋血流SPECTを施行しています。また、2009年4月より128列CTも導入され、今や多くの病院に存在する64列CTに比べ、より低侵襲での冠動脈病変の検出など心臓血管領域における活用が期待されます。
また、冠動脈疾患をはじめ動脈硬化性疾患は、慢性かつ進行性の疾患であるため、症状が顕在化したときだけカテーテル治療を反復するのでは不十分です。二次予防としての内科的治療を強力に行い、統合的治療を推し進めていくことが重要と考えております。
冠動脈インターベンションなど最先端医療の領域では、ともすれば新しい技術や新しい器具の導入などに盲目的に追従する傾向が見受けられます。しかし、地域医療、高齢者医療、高額医療の流れのなかで、医療に対する社会の目はこれからもますます厳しくなることが予想されます。heroismにながされることなく、patient-firstの姿勢に徹するとともに、社会的経済面も留意しつつ、つねに何が出来るか(What can I ?)ではなく、何が必要か(What should I?)を考える医療をこれからも実践していきたいと考えております。
実績
(2008年)
- 心臓カテーテル検査:1495例
- 冠動脈インターベンション:491例(初期成功率97%、死亡0%)
うち、慢性完全閉塞は成功率83%(47例中39例) - 末梢動脈インターベンション:41例)
うち、腎動脈4例、腸骨動脈11例、大腿動脈25例、頸動脈1例 - 恒久的ペースメーカー植込み術:50例
- 埋込み型除細動器移植術:13例
- 心臓再同期療法(CRT):7例
- ペースメーカー電池交換:60例
- 電気生理学的検査:51例
- 経皮的心筋焼灼術:29例