平成27年度 船橋市立医療センター 病院指標

　全退院患者数は１０，９５７人となっておりますが、幅広い年齢層の患者さんに利用していただいており、その中でも６０歳以上の患者の割合が全体の約６６％占めています。一方で10歳未満の患者の割合も全体の１割を超えています。これは船橋市小児二次救急事業に参加し、週６日を担当し中心的な役割を果たしていることを示しています。

　患者数としては肺がんが最も多く、次いで大腸がんと胃がんの患者さんが多くなっています。当院は「地域がん診療拠点病院」として様々ながんの治療を積極的に行っており、手術だけでなく、化学療法や放射線治療も行っています。また、緩和ケア病棟を有しており患者さんの苦痛を和らげる緩和ケア体制も整えています。

　肺炎の重症度分類は、A-DOROPスコアを用いて集計しています。
１（年齢）男性７０歳以上、女性７５歳以上　
２（脱水）BUN２１ｍｇ／ｄＬ以上または脱水あり　
３（酸素飽和度）ＳｐＯ２＜＝９０％　
４（意識障害）意識障害あり　
５（収縮期血圧）収縮期血圧９０ｍｍＨｇ以下
　
　市中肺炎とは、普段の社会生活の中でかかる肺炎のことです。患者数では重症度１が最も多くなっていますが、重症度があがるほど長い治療期間を要することになります。重症度０の患者の平均年齢が５５歳ほどであるのに対し、重症度４~５の患者の平均年齢は８０歳を超えています。

　発症３日以内の急性期の脳梗塞の患者さんが全体の７割を超えています。当院ではそういった緊急性のある患者に迅速に対応できるよう、脳神経外科と救命救急センターとで協力し急性期治療に力をいれています。また、SCU（脳卒中ケアユニット)を開設し病態の不安定な時期に高度な集中治療を行っています。治療後は重症度に応じて自宅退院、回復期リハビリテーション専門病院への転院となります。

手術・処置等の合併症の内訳

【入院契機傷病と同一】
T810　処置に合併する出血および血腫、他に分類されないもの（症例数:３）
T812　処置中の不慮の穿刺および裂傷、他に分類されないもの（症例数:１）
T814　処置に続発する感染症、他に分類されないもの（症例数:７）
T818　処置のその他の合併症、他に分類されないもの（症例数:２）
T820　人工心臓弁の機械的合併症（症例数:２）
T826　人工心臓弁による感染症および炎症性反応（症例数:１）
T827　その他の心臓および血管の人口器具、挿入物および移植片による感染症および炎症性反応（症例数:３）
T840　体内関節プロステーシスの機械的合併症（症例数:３）
T845　体内関節プロステーシスによる感染症および炎症性反応（症例数:２）
T857　その他の体内プロステーシス、挿入物および移植片による感染症および炎症性反応（症例数:１）
T886　適正に投与された正しい薬物および薬剤の有害作用によるアナフィラキシーショック（症例数:１）

【入院契機傷病と異なる】
T810　処置に合併する出血および血腫、他に分類されないもの（症例数:３）
T813　手術創の離開、他に分類されないもの（症例数:１）
T814　処置に続発する感染症、他に分類されないもの（症例数:３）
T817　処置に続発する血管合併症、他に分類されないもの（症例数:１）
T828　心臓および血管のプロステーシス、挿入物および移植片のその他の合併症（症例数:１）
T886　適正に投与された正しい薬物および薬剤の有害作用によるアナフィラキシーショック（症例数:１）

　当院では、手術や処置などを行う際には合併症を起こさないよう細心の注意を払い施行しています。起こりうる合併症については、事前に可能な限り患者さんに説明したうえで、手術や処置の施行に同意をいただくよう努めています。