概要

麻酔科医の役割について

手術は痛みと多大なストレスを伴い、手術後の回復に大きな影響を与えます。麻酔科医は、麻酔により痛み、ストレスから患者さんの身体を守り、安全な手術をめざし、また手術に伴う合併症が発生しないよう全身の管理を行います。

手術前には、麻酔科の外来を受診していただき、個々の患者さんに麻酔の説明を行っています。近年の高齢化社会で、多数の合併疾患をお持ちの患者さんが増えております。手術前には麻酔科医が診察を行い、安全に配慮した全身管理を行えるよう、ひとりひとりの患者さんに最適な麻酔の計画を立てます。手術後も診察して、術後の痛みの治療を行い、円滑な回復期に移行できるよう努めております。

手術中は、様々な麻酔法、全身麻酔や区域麻酔(硬膜外麻酔、脊髄くも膜下麻酔、神経ブロック)や静脈鎮静法を用いて、痛みやストレスから患者さんを守っていきます。

麻酔科医師が常に全身状態を観察し、手術中患者さんの体に危険がないように管理しています。

手術の後は、痛みを取り除いて回復を促し、日常の生活に戻れるようにサポートすることが麻酔科医の大きな役割です。

当科の特色

当院は、地域がん診療連携拠点病院であり、三次救急救命センターでもあります。地域の拠点病院として予定手術から緊急手術まで、14の外科系診療科の様々な手術を、小児から高齢者まで行っています。また、手術室以外でも侵襲が大きな検査や脳動脈瘤などの血管内治療などでも、麻酔科医が活躍しています。

2022年の手術件数は3,903件で、そのうち麻酔科管理症例は2,556件でした。16.3%は緊急手術でした。三次救命センターを併設しているため、その割合が多いことも特徴です。

また、救急科と協力体制をとり、集中治療室の運営を行い、病院中央部門の一翼を担っています。合同カンファランスや人材交流などを行い、若手医師の教育を行っております。

救急救命士教育(気管挿管実習、卒前、就業前実習など)や、院内や院外の一次救命処置、二次救命処置の普及活動を行い、地域医療にも貢献を行っております。