概要

呼吸器外科は肺・縦隔・胸壁・横隔膜など呼吸器系胸腔臓器疾患の外科的治療・診断を行う診療科です。具体的には肺癌,転移性肺腫瘍,良性肺腫瘍,炎症性肺疾患,気胸などの農法性肺疾患,縦隔・胸壁・胸膜腫瘍,膿胸,胸腔内外傷などです。

胸腔鏡科手術を積極的に取り入れ創(キズ)の小さい低侵襲手術や,呼吸機能の低下した方にも機能温存を図る縮小手術を行い,早期社会復帰を患者さんと共に目指します。進行してしまった悪性腫瘍に対しては呼吸器内科・腫瘍内科・放射線科と共に化学療法(抗がん剤など)・放射線療法を組み合わせた集学的治療や,他領域外科系診療科に協力を仰ぎ隣接臓器合併切除で根治性の高い治療を行います。

地域連携パスなどを利用し,近隣の医療機関とともに地域に密着した医療を提供できるよう尽力いたします。

主な診療内容

肺癌 早期肺癌に対しては積極的に低侵襲な胸腔鏡下手術を行っています。大きい腫瘍やリンパ節転移がある症例では胸腔鏡補助下手術を、隣接臓器の合併切除や再建が必要な症例は開胸術で行っています。
術前未確診肺腫瘍
(診断がついていない肺腫瘍)
胸腔鏡下肺生検(部分切除や針生検など)を行い、術中迅速病理検査(30分程度)の結果に応じた手術を一期的に行います。
転移性肺腫瘍 各種悪性腫瘍(大腸癌、腎臓癌など)の肺転移に対して外科切除を行っています。
縦隔・胸壁腫瘍 腫瘍の種類・場所・大きさによって、胸腔鏡下手術・胸腔鏡補助下手術・胸骨正中切開などの開胸術で行っています。
胸膜腫瘍 診断困難な胸膜腫瘍も胸腔鏡下に生検を行って確定診断します。胸膜中皮腫では診断した後に集学的治療を検討します。
気胸・嚢胞性肺疾患 基本的に胸腔鏡下手術を行っていますが、高齢者で肺気腫を合併した続発性気胸や巨大肺嚢胞では胸腔鏡補助下手術を行うこともあります。
胸部外傷 交通事故などで肺・肋骨・胸骨などに損傷がある場合、救命センターと連携を取りながら適宜手術を行っています。