MR検査

検査概要

令和412月より3テスラMR装置(テスラ:磁場強度の単位)が稼働しました。
今後、当院では1.5テスラMR装置と3テスラMR装置の2台体制で、年間約10000人の検査を行っていきます。
 今回、導入した3テスラMR装置は従来の1.5テスラMR装置と比較して大きく2つの利点があります。
・細かいところまで見える(高い空間分解能)脳動脈瘤などを観察するMRアンギオグラフィー(写真1)では、末梢の細い血管まで映し出すことができるようになります。
・速く撮像できる(高い時間分解能)
撮像時間が短くなることになり、検査時間が短くなる可能性があります。
 また、今回導入した3テスラ装置には次のような特徴や機能もあります。
・検査をするときに入るトンネルの幅が60cmから70cmと広くなりました。
MR検査は狭いトンネルに入るため、閉所恐怖症の患者さんや体格の大きな患者さんにとっては大変な検査でしたが、トンネルの幅が広くなったことで閉塞感が軽減できると期待しています。
・最新のコイル(AIRコイル)を導入しました。コイルとは、画質を良くするために検査する部位に検査部位を覆う道具であり、画像を作るためのアンテナのような役割があります。今までのコイルは重みや圧迫感を感じる場合がありましたが、今回導入したコイルは従来よりも軽く、そして柔らかくなったため、検査時の圧迫感が少なくなりました。さらに、画質の向上も実現しています。
・特殊な撮像法が可能になりました。
①おもに心血管系の血流を3次元表示・定量化することが可能な4Dフロー(写真2
②慢性肝炎・肝硬変などによる肝線維化を画像化するMRエラストグラフィー(写真3
といった撮像方法が可能になりました。

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ただし、3テスラMR装置と比べて1.5テスラMR装置の方が得意な検査もあるので、両装置を上手に使い分ける必要があります。
 MR装置は本体が磁石で出来ているため検査室内に磁性体の金属・磁気カードを持ち込むことができません。3テスラ装置では磁場強度が上がったため、より気を付ける必要があります。手術などで体内に金属(ペースメーカー・ICD・人工内耳・ステント・動脈瘤クリップ・義歯・人工関節など)のある方は、検査ができないこともあるので注意が必要です。検査時間は検査内容により異なりますが、10分~40分くらいとなります。検査中に装置から大きな音が大きな音がしますので検査時は耳栓をしていただきます。また、検査時に緊急呼び出しブザーをお渡ししますので、検査中に違和感、気分不快などの異常を感じましたら、ためらわずにブザーを鳴らしてください。検査担当技師が対応いたします。

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GEヘルスケア製 SIGNA 
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GEヘルスケア製 SIGNA Architect 3テスラ