臨床技術業務
生命維持管理装置の操作
1.人工心肺業務
体外循環法とは
心臓の手術を行うにおいて、大きな問題が2つあります。
1.心臓は全身に血液を送る臓器であること。(心臓を止めてしまうと、生きていけない)
2.心臓は常に動いていること。(常に動いているため、何か手を加えようとしても非常に困難である)
そこで考え出されたのが体外循環法です。これは、何らかの形で心臓を迂回する血液の通り道(回路)を体の外側に作ってあげる方法で、その回路に心臓の代わりに血液を循環させるためのポンプと、その血液を肺に代わって人工的に酸素化させる人工肺、さらに体温を調節する熱交換器を組み込んだものを「人工心肺システム」といいます。
循環・代謝・呼吸・体温調節を代行するシステムだけに、その操作は非常に専門性の高い知識と技術が要求されます。これらの業務は、医師と協議のもと体外循環技術認定を受けた臨床工学技士が中心となって行っています。
人工心肺・自己血回収装置を使用する症例は年間200例程度あり、施設の性格上、他院からの緊急搬送や、深夜に救急搬送されるケースも多く、24時間オンコール体制で対応しています。
他に補助循環装置として、IABP装置4台、PCPS/ECMO装置3台、IMPELLA2台保有しています。
2.血液浄化療法業務
当センターでは、現在外来通院透析患者さんに対応する透析室や、大掛かりな人工透析設備を有していません。従って他院にて透析治療をされている患者さんの入院に対して、個人透析にて対応しています。また、心不全治療、心臓血管手術、集中治療領域における敗血症や多臓器不全治療治療で入院された患者さんに対しては、全身管理や臓器保護を目的とした持続緩徐式血液ろ過療法(CRRT)を中心に対応しています。
また、免疫吸着・成分吸着や血漿交換のような、アフェレシス療法や、腹水ろ過濃縮再静注法などにも対応しています。
3.心臓カテーテル検査室業務
不整脈に関連した業務は、カテーテルアブレーション関連業務と、ペースメーカやICD、CRT-Dなどの植込みデバイス関連業務に分かれます。カテーテルアブレーション治療とは、電極カテーテルと焼灼カテーテルを用い、不整脈の原因となる部位を調べ、その部分を焼き、不整脈を根治する治療です。カテーテルアブレーション業務では心内心電図装置、3Dマッピング装置、通電装置など全ての機器の準備や操作を行っています。また、植込みデバイス業務では、植込み・交換時、外来通院での定期チェックの際に、プログラマーを用いてデバイスの検査を行っています。
また、2024年度より、CAG・PCI時における業務を開始し、血管内エコー操作・ポリグラフ操作等を行っています。