災害拠点病院

1.災害拠点病院とは

「災害拠点病院」とは、災害時に多く発生する重篤救急患者の救命医療を行うための病院であり、災害時における医療の最前線となる病院のことです。地震、津波、台風等の災害発生時に災害医療を行う病院などの後方医療機関を支援する機能を有する病院で、役割としては重症・重篤な傷病者の受入および広域医療搬送の支援、局地災害時の医療救護班の派遣等が挙げられます。千葉県や地域と協力しながら、有事の際の医療の中心を担います。
当院は平成8年8月に千葉県地域災害拠点病院の指定を受けています。

2.災害拠点病院の指定要件

運営について

  • ・24時間緊急対応し、災害発生時に被災地内の傷病者等の受入及び搬出を行うことが可能な体制を有すること
  • ・災害派遣医療チーム(DMAT)を保有し、その派遣体制があること
  • ・救命救急センター又は第二次救急医療機関であること
  • ・被災後、早期に診療機能を回復できるよう、業務継続計画の整備を行っていること。また、整備された業務継続計画に基づき、被災した状況を想定した研修及び訓練を実施すること
  • ・ヘリコプター搬送の際には同乗する医師を派遣できることが望ましいこと

施設及び設備について

  • ・診療機能を有する施設は耐震構造を有すること
  • ・通常時の6割の程度の発電容量のある自家発電設備等を保有し、3日分程度の燃料を確保しておくこと。なお、自家発電機等の燃料として都市ガスを使用する場合は、非常時に切替え可能な他の電力系統等を有しておくこと。
  • ・災害時に少なくとも3日分の病院の機能を維持するための水を確保すること。具体的には、少なくとも3日分の容量の受水槽の保有、停電時にも使用可能な井戸設備の整備、優先的な給水協定の締結等により災害時の診療に必要な水を確保すること
  • ・衛星電話を保有し、衛星回線インターネットが利用できる環境を整備すること
  • ・被災地における自己完結型の医療救護に対応できる器材を有すること
  • ・食料、飲料水、医薬品等について、流通を通じて適切に供給されるまでに必要な量として、3日分程度を備蓄しておくこと
  • ・原則として病院敷地内にヘリコプターの離着陸場を有すること
  • ・原則としてDMATや医療チームの派遣に必要な緊急車両を有すること

3.災害拠点病院の機能

  • ・24時間いつでも災害に対する緊急対応ができ、被災地域内の傷病者の受け入れ・搬出が可能な体制を持つ。
  • ・重症傷病者の受け入れ拠点になる。また、ヘリコプターによる傷病者、医療物資等のピストン輸送を行える機能がある。
  • ・災害派遣医療チーム(DMAT)を保有し、その派遣体制がある。
  • ・地域の第二次救急医療機関とともに定期的な訓練を実施し、災害時に地域の医療機関への支援を行う体制を整えている。

4.災害派遣医療チーム(DMAT)について

災害派遣医療チーム(DMAT)は、災害の発生後概ね48時間以内に活動を開始できる機動性を持った医療チームで、厚生労働省が認めた専門的な研修を受講することで認定されます。またDMATは医師1名、看護師2名、業務調整員(※)1名の計4名を基本構成とし活動します。県ではDMATの派遣体制が整っている病院を「DMAT指定医療機関」として指定しており、現在県内の災害拠点病院は全てDMAT指定医療機関に指定されています。

※業務調整員...事務員や薬剤師等、医師・看護師以外のDMAT隊員で、通信や移動手段の確保・情報収集等、DMAT活動の支援を行う。

派遣実績

※表は横にスライドしてご覧頂けます。

日付 災害名 派遣先、活動場所 活動内容
平成27年9月11、12日 平成27年9月関東・東北豪雨 筑波メディカルセンター 本部支援、搬送調整
令和元年9月9日 令和元年台風15号 鈴木病院 搬送支援
令和元年9月13日 令和元年台風15号 東千葉メディカルセンター 本部支援
令和元年10月12日 令和元年台風19号 船橋市立医療センター 東葛南部活動拠点本部活動
令和2年2月6、7日 新型コロナウイルス 税関研修所 武漢からの帰国者に対する健康管理等
令和6年1月13日~17日 令和6年能登半島地震 石川県輪島市 搬送支援、病院支援等
令和6年2月7日~10日 令和6年能登半島地震 石川県能登町 本部支援

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5.関連リンク

災害拠点病院としての機能【丸山尚嗣院長、佐藤やよい外科副部長(統括DMAT)インタビュー記事】