褥瘡対策チームについて

概要

褥瘡(床づれ)は、高齢の寝たきりの患者さんにできるものと思われていますが、医療の高度化・複雑化によって重症な患者さんが多くなり、若い方でもできる可能性があります。当センターは救命救急センターであり重篤な方が多く、また地域の中核病院としての役割もあるので高齢の方の入院も多くみられます。褥瘡対策委員会では当センターに入院された方々に褥瘡ができないよう、またできてしまった場合にも速やかに治るように活動しています。

褥瘡が発症する原因・要因は個々によって様々で、創の治療ももちろん重要ですがそれだけでは治りません。褥瘡対策委員会は医師・看護師・栄養士・理学療法士・医事課(事務部門)等で構成され、それぞれの専門分野から褥瘡に取り組んでいます。

褥瘡対策委員会目標

  1. 各医療職と協働し、褥瘡を予防するための適切な対策を推進する
  2. 褥瘡に関わる問題、その治療と発生の両面における問題を検討し対処する
  3. 褥瘡に関わる調査を行い、分析・評価する
    1. 褥瘡に関する危険因子の評価を実施した数
    2. 褥瘡有病率
    3. 褥瘡発症率
    4. 褥瘡に関する治療計画書を作成した数

褥瘡対策委員会活動

委員会を開催し、院内の褥瘡発症数・褥瘡予防ケアを行っている患者数の調査や褥瘡ケアの評価をしています。また実際に褥瘡のある患者さんの回診をしています。また当スタッフへ向けて院内での褥瘡勉強会の開催を年2回~3回行っています。

褥瘡対策委員会メンバーだけでは全入院患者さんの把握はできませんので、各病棟には褥瘡対策に取り組む看護師が1名ずつ配置されており、予防・管理ケアが提供できるようにしています。

2012年度褥瘡対策委員会メンバー

医師
委員長皮膚科 宮川健彦
副委員長 看護部 大塚眞由美
委員看護部 渡邉理恵
看護部 両川伸恵
薬剤部 鐘司光貴
リハビリテーション科 山谷知弘
栄養科 村山智香子
医事課 本橋一真

褥瘡対策の基本

褥瘡においてはまず予防が第一になります。一度できてしまうと治るのに長期間要します。発生した場合には早期発見と治療が重要になり、また同時に他の場所にできないよう予防も引き続き行います。治ったあとには再発の防止をします。

入院した患者さんは、まず褥瘡ができているかいないか皮膚を見て確認します。できている場合には治療を開始し、他の場所にもできないようにケアをしていきます。褥瘡がないと確認された患者さんは今後できてしまう危険性がないか予測していきます。褥瘡ができそうだと判断された場合には、その点(自分で動くことができない・座ることができない・失禁がある・食事が取れていない、痩せている・麻痺がある、体が固まっているなど)に対しての計画を立てケアを行いその状態が改善されるまで続けます。

図表
「褥瘡予防・管理ガイドライン」より一部改変

褥瘡対策委員会は2002年に発足し以上のような取り組みをしていますが、褥瘡のできる患者さんは0にはなりません。褥瘡をめぐる諸問題にこれからも様々な職種が連携し、機能していきたいと考えています。