感染制御室（院内感染対策チーム）について
概要
当院では、患者さんやご家族、来院されるすべての皆様が安心して通院、入院、訪問していただけるように、また全職員が安全に働けることを目標に、感染制御室の感染制御チーム（ICT）が中心となって、院内感染予防対策を行っています。医師、看護師、薬剤師、臨床検査技師の4職種で専門性を活かし、院内の感染制御に従事しています。
感染制御の合言葉は『持ち込まない！持ち出さない！拡げない！』です。
感染制御室の目標
- 院内感染対策を徹底し、患者・家族、職員を感染から守る。
- エビデンス(根拠)に基づいた感染予防策を具体化し実践する。
感染制御チームのメンバー
・医師３名（１名特任）
・感染管理認定看護師２名
・薬剤師２名（抗菌化学療法認定薬剤師１名専従）
・臨床検査技師２名
・事務１名
実践内容
- 病院長の下、感染制御室が組織化され、院内感染対策の方針を決定しています。
- 院内感染対策マニュアルの作成と定期改訂を行い、院内感染対策の基盤としています。
- ICTが週1回のミーティングと定期ラウンド、緊急時の臨時ラウンドを行い、感染対策の実践部隊として活動しています。また、抗菌薬適正使用支援チーム(AST)をICT内に設置し、抗菌薬適正使用の評価や相談を積極的に行っています。
- 各部署全職種から選出された感染リンクスタッフが会議に参加し、部署の現状や課題解決に取り組んだり、突撃ラウンド(手洗いや環境のチェック)を行い、病院全体で感染予防に取り組んでいます。
- 毎年、感染対策をテーマとしたポスターコンクールを実施し、啓発活動に力を入れています。
- 感染の知識教育普及のため、全職種対象や部門別の研修会を行っています。
- 厚労省院内感染対策サーベイランス事業（JANIS）に登録し、院内感染の低減に努めています。この事業は厚労省が行っている取り組みで、院内感染の発生状況や薬剤耐性菌による感染症の発生状況を調査し、国内の院内感染の概況を把握し医療現場へ還元することを目的とされています。患者さんの個人名を登録することなく、送信データは厳重に管理しています。
- 2023年からは地域病院とのデータ比較や連携に役立てるため、厚労省の委託事業である感染対策共通プラットホーム(J-SIPHE)に参加し、院内検出菌状況・抗菌薬使用状況・手指衛生剤の使用状況等のデータ送信を開始しています。
- 新型コロナウイルス感染症患者の受け入れを行うとともに、船橋市保健所と連携し、地域の病院や施設の感染対策指導を行っています。
2023年度活動目標
- 抗菌薬の適正使用をはかる
- 環境管理の強化
- 新型コロナウイルス感染症の院内感染を防止する
- 標準予防策の再徹底
- 地域の感染ネットワークの強化をはかる
- 医療関連感染サーベイランスの実施
- 血液・体液曝露（針刺しや粘膜曝露）対策を推進する
- 次世代の人材育成
- 院内感染対策マニュアル改訂
院内感染対策の基本
1.標準予防策(スタンダードプリコーション)
標準予防策とは、すべてのヒトの①血液②汗を除く体液（便・尿・痰・膿・唾液他）③粘膜④損傷した皮膚を感染の可能性がある対象として対応するという考え方。
2.最も重要な対策は手洗い(手指衛生)の実践
処置毎の擦式アルコール製剤を使った15秒の手指消毒または目に見える汚れがある場合は石鹸と流水による30秒以上の手洗いを推進しています。食事前とトイレの後の特に念入りな手洗いも大切です。
「手洗い・手指衛生は習得すべき医療技術だ！」をスローガンに啓蒙活動に努めています。
3.適切な個人防護具の着脱の推進
患者さんと職員両者の感染予防のために、採血や点滴、排泄介助等の処置時は、手袋やエプロンの着用に努めていますので、ご理解ご協力のほどお願いいたします。
4.ユニバーサルマスキングの推進
新型コロナウイルス感染症の感染防止対策で、院内ではできるだけすべての方にマスクの着用をお願いしています。職員は飛沫による目の防御の為にゴーグルを着用している場合があります。
