スペシャリストの活動【専門看護師】 

日本看護協会の専門・認定看護師は特定の看護分野において、熟練した看護技術と知識を用いて水準の高い看護を実践。看護現場における看護ケアの広がりと質の向上をはかります。 日本看護協会が教育機関の認定と専門の教育・研修を受けた看護職の資格認定を行っています。

船橋市立医療センターでは、専門看護師と認定看護師が組織横断的に院内で活動しており、院外に於いても学校や他施設での研修会の講師等で活躍しています。

精神看護専門看護師

 リエゾンナースをご存じですか?リエゾンとはフランス語で「連携」「橋渡し」という意味があります。リエゾン精神看護は、からだと心を橋渡しする分野です。主に総合病院で身体疾患を有する人々が抱える心(精神面)の問題に対するケアの提案・提供 、医療スタッフらなどへのメンタスヘルス支援という役割があります。
 精神看護専門看護師は精神科リエゾンチームのメンバーとして日々様々な病棟や外来で患者さんやご家族と直接お会いし、療養上での困りごとに関する相談などをお受けしています。
 「心身一如」という言葉があるように、人はからだと心が互いに密接にかかわりあいながら日常生活を送っています。思わぬ病気やけがによって心も衝撃を受け、思いもよらない心身の変化に直面することはどなたでも辛いことです。心の辛さを少しでも軽くし、ご自身らしい生活が一日でも早く取り戻せるよう、支援させていただきます。

老人看護専門看護師

 日本看護協会老人看護専門看護師の認定を受け、現在一般病棟に所属しています。高齢者にとって入院という急激な環境変化は大きなストレスとなり、混乱を生じてしまうことがあります。そのため、安心して治療を受けていただくには、高齢者の特性に配慮した療養環境の提供が不可欠だと考えています。チームで取り組む活動では、認知症ケアチームの一員として、認知症を抱える患者さんへの理解と配慮に基づいた包括的なケアを実践しています。また、身体的拘束最小化チームでは、多職種と連携し、患者さんの尊厳と安全を守るため、不必要な身体拘束を行わないケアの推進に取り組んでいます。
 さらに、実践や相談を通して、終末期医療や延命治療に関する意思決定支援など、倫理的な問題解決に向け、患者さんにとって最善の選択を支援しています。当院の急性期治療のばから在宅・福祉施設など、患者さんが望む場所でその人らしく療養や生活ができるよう、ケアの創造と提供に努めてまいります。

慢性疾患看護専門看護師

当センターには、202412月より二人目の慢性疾患看護専門看護師が誕生しました。私達は実践・相談・調整・倫理調整・教育・研究の6つの役割を果たしています。特に実践では20117月より糖尿病看護外来を開設し、週3回担当しています。看護外来では、外来インスリン導入、糖尿病や糖尿病以外の慢性腎臓病の透析予防支援、フットケアなど、糖尿病・透析予防・フットケアチームらの多職種協働しチーム医療を推進しています。
 患者さんやご家族の方々が、病者である前に生活者として慢性疾患と長くお付き合いできるよう、院外の医療従事者や社会福祉関係者らと協働・連携しながら継続看護を推進したいと思います。

急性・重症患者看護専門看護師

 複雑な病態や重症度の高い患者さんを身体的側面だけでなく心理的側面・社会的側面も含めて総合的にアセスメントをしています。どのような看護が必要なのか考え、スタッフとともに実践しています。集中治療室は、治療が主軸となりやすい環境です。その中で、患者さんとご家族に寄り添い、患者さんとご家族の力を最大限活かし、退院後の生活の質の向上を見据えた看護を目指しています。また、スタッフの気づきを大切に、成長に繋がるように支援していきたいと考えています。
 重症度や緊急度の高い多様な状況な患者さん・ご家族の支援は看護師一人ではできません。患者さん・ご家族にとって、よりよい医療・看護を提供できるように多職種と協働しチームビルディングを進められるように精進していきます。

家族支援専門看護師

 人の生活にとって「家族」とは、最も身近な存在です。普段はあまり意識せずに過ごしていますが、家族メンバーは互いに影響を与え合い、生活の中の変化や問題に対して解決したり、対応したりしています。患者さんの病気やそれに伴う治療は、家族にとっても大きな出来事です。時には家族だけでは問題解決が困難な場合もあります。そのような時、患者さんの健康回復のために家族を支えることはとても重要なことです。
 近年、医療技術の進歩により高度な治療や看護を提供できるようになってきました。そのため、患者さんやご家族にも難しい選択や決定をしていただくことも多くなってきています。悩みながらも治療方針などを決断される患者さんやご家族の気持ちに寄り添い、共通した目的をもって患者さんとご家族を支える看護を行いたいと日々実践を重ねています。家族体系も、価値観も多様化している現代、その人らしい生き方を共に話し合うことで、患者さんとそのご家族を支援したいと思っています。

※資格等についての問い合わせ:船橋市立医療センター TEL:047-438-3321