スペシャリストの活動【専門看護師】 

日本看護協会の専門・認定看護師は特定の看護分野において、熟練した看護技術と知識を用いて水準の高い看護を実践。看護現場における看護ケアの広がりと質の向上をはかります。 日本看護協会が教育機関の認定と専門の教育・研修を受けた看護職の資格認定を行っています。

船橋市立医療センターでは、専門看護師と認定看護師が組織横断的に院内で活動しており、院外に於いても学校や他施設での研修会の講師等で活躍しています。

精神看護専門看護師、老人看護専門看護師、慢性疾患看護専門看護師、急性・重症患者看護専門看護師、家族支援専門看護師

精神看護専門看護師:菅原亜有美

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リエゾンナースをご存じですか?リエゾンとはフランス語で「連携」「橋渡し」という意味があります。リエゾン精神看護は、からだと心を橋渡しする分野です。主に総合病院で身体疾患を有する人々が抱える心(精神面)の問題に対するケアの提案・提供 、医療スタッフらなどへのメンタスヘルス支援という役割があります。

私は2008年より当センターでリエゾンナース活動を開始し、2013年に日本看護協会精神看護専門看護師資格を取得しました。専門看護師の6つの役割「実践」「相談」「調整」「倫理調整」「教育」「研究」の中でも、特に実践と相談を重点的に行っています。

現在精神科リエゾンチーム、認知症ケアチーム、そしてサポート・ケア(緩和ケアチーム)の各メンバーとして日々様々な病棟や外来で患者さんやご家族と直接お会いし、療養上での困りごとに関する相談などをお受けしています。

「心身一如」という言葉があるように、人はからだと心が互いに密接にかかわりあいながら日常生活を送っています。思わぬ病気やけがによって心も衝撃を受け、思いもよらない心身の変化に直面することはどなたでも辛いことです。心の辛さを少しでも軽くし、ご自身らしい生活が一日でも早く取り戻せるよう、支援させていただきます。

老人看護専門看護師:高橋弘美

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 私は2019年に日本看護協会老人看護専門看護師の認定を受け、現在一般病棟に勤務しています。入院という急激な環境変化は、高齢者にとって大きなストレスとなり、混乱を生じてしまうことがあります。また、高齢者は、治療をきっかけにこれまで保たれてきた身体機能が低下することもあります。安心して治療を受けていただくには、高齢者の特性に配慮した療養環境を提供していくことが大切です。
 現場では認知症や終末期で自分の意思を表現することが難しくなったとしても、コミュニケーションを活用した交流や様々な現象を読み解くことで、心身の不調や意思を共有できるように心がけています。急性期治療の場から在宅・福祉施設など、希望される場所で心身の力を発揮しながら療養や生活が送られますよう、多職種と連携しながらケアの創造と提供に努めていきたいと思います。

慢性疾患看護専門看護師:曽根晶子

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私は、2005年に専門看護師として日本看護協会に認定されました。サブスペシャリティを糖尿病看護を中心とし、実践・相談・調整・倫理調整・教育・研究の6つの役割を果たしています。実践では2011年7月より糖尿病看護外来を開設し、2014年12月から週3回を担当し、患者さんの生活に応じた外来インスリン導入、低血糖と手当て、糖尿病透析予防支援など療養支援を行っております。
 2019年からは、糖尿病患者さんらに、"いつまでもお元気で自分の足で歩いてもらいたい"と考え、院内の糖尿病チーム医療に加え、循環器内科・形成外科・皮膚科・整形外科医師、皮膚・排泄ケア認定看護師、特定看護皮膚・排泄ケア認定看護師らとフットケアチームを設立、フットケア外来を担当しております。現在に至っては、病棟看護師(フットケア担当スマイル)、退院支援看護師らと連携し、院外の訪問看護師、ケアマネジャーらとも連携し、糖尿病足病変の集学的チーム医療に取り組んでおります。
 これからも、糖尿病患者さんやご家族の方々が、病者である前に生活者として慢性疾患と長くお付き合いできるよう、院内外の医療従事者や社会福祉関係者らと協働・連携し、継続看護を推進したいと思います。

急性・重症患者看護専門看護師:髙梨奈保子

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 私は2018年に急性・重症患者看護専門看護師の認定を受けました。スタッフ・管理者とともにクリティカル領域の看護の質の向上を目指しています。
 現在は、集中治療室で勤務しています。複雑な病態や重症度の高い患者さんを身体的側面だけでなく心理的側面・社会的側面も含めて総合的にアセスメントをしています。どのような看護が必要なのか考え、スタッフとともに実践しています。集中治療室は、治療が主軸となりやすい環境です。その中で、患者さんとご家族に寄り添い、患者さんとご家族の力を最大限活かし、退院後の生活の質の向上を見据えた看護を目指しています。また、スタッフの気づきを大切に、成長に繋がるように支援していきたいと考えています。
 重症度や緊急度の高い多様な状況な患者さん・ご家族の支援は看護師一人ではできません。患者さん・ご家族にとって、よりよい医療・看護を提供できるように多職種と協働しチームビルディングを進められるように精進していきます。

家族支援専門看護師:藤村望

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人の生活にとって「家族」とは、最も身近な存在です。普段はあまり意識せずに過ごしていますが、ご家族は互いに影響を与え合い、生活の中の変化や問題に対して解決したり、対応したりしています。患者さんの病気やそれに伴う治療は、ご家族にとっても大きな出来事です。時にはご家族だけでは問題解決が困難な場合もあります。そのような時、患者さんの健康回復のためにご家族を支えることはとても重要なことです。

私は、2014年11月に家族支援専門看護師の資格を取得し、現在ICUで勤務しています。近年、医療技術の進歩により高度な治療や看護を提供できるようになってきました。そのため、患者さんやご家族にも難しい選択や決定をしていただくことも多くなってきています。悩みながらも治療方針などを決断される患者さんやご家族の気持ちに寄り添い、共通した目的をもって患者さんとご家族を支える看護を行いたいと日々実践を重ねています。家族体系も、価値観も多様化している現代、その人らしい生き方を共に話し合うことで、患者さんとそのご家族を支援したいと思っています。

※資格等についての問い合わせ:船橋市立医療センター TEL:047-438-3321