スペシャリストの活動【認定看護師】
救急看護認定看護師
救急看護認定看護師の役割は、危機状況にある患者さんやそのご家族の問題を適切に把握し支援する事、救急看護の新しい知見や科学的根拠を持ったケアを提供し、実践を通しスタッフの役割モデルになる事です。研修学校で学んできた事をスタッフや病院に還元し、患者さんやご家族に良質のケアが提供出来るようにしていきたいと思っています。
当センターは、災害拠点病院の役割を担っています。幸い、この近辺では大きな災害は起きていません。しかし、いつ起こるか分からない地震などの災害や大事故による多数傷病者を受け入れる為の体制は整備しておかなければなりません。災害拠点病院としての機能を発揮出来るように、スタッフに対する災害医療・災害看護の教育や災害マニュアルの見直し、災害訓練など災害対策の取り組みを行っています。
皮膚・排泄ケア認定看護師
皮膚・排泄ケア認定看護師は、様々な原因によって起こる皮膚トラブルの予防や起きてしまった皮膚トラブルに対してケアを提供しています。例えば、ストーマのケア、床ずれ(褥瘡)の予防・治療ケア、便や尿の漏れによる皮膚のかぶれのケアなどをしています。
入院中は患者さんご本人だけでなくご家族の相談を受け、入院中の生活や退院後の不安が少なくなるように努めています。ストーマの方は、ストーマ外来で退院後のケアを引き続き行っています。褥瘡については、院内の褥瘡対策委員会・褥瘡対策チームのメンバーの一員として患者さんの入院生活が安全・安楽となるように活動しています。また、看護師・医療スタッフからの依頼・相談を受け、ケアのアドバイスをすることもあります。さらに、創傷が早く治癒するように特定行為をタイムリーに行っています。皮膚のケアは日常生活でも行われているものであり、看護の基本的な事柄ですので大切にしたいと考えています。
集中ケア認定看護師
集中ケア認定看護師の役割は、生命の危機的状況にある患者さんに適切なアセスメントを行い、病態の変化を予測し、危篤化の回避の援助をすることです。また、患者さんの安全・安楽を確保するとともに、患者さんに応じた目標設定を行い、生活者としての視点を持ち早期回復への援助をすることです。
スタッフに対して教育・指導・相談対応を行い、病態理解を深め看護に活かせるよう援助していきます。患者さん・御家族に対して、質の高い医療が提供できるようにリーダーシップを発揮し、多職種と協働していきたいと思います。
緩和ケア認定看護師
緩和ケアとは、がんに限らず重い病を抱える患者さんやそのご家族の身体のつらさを和らげ、より豊かな人生を送ることができるよう支える医療です。「緩和ケア」は、決して「終末期医療」ではなく、病気の時期に関わらずどの段階でも行われる医療です。
主な業務は、サポート・ケアチーム(緩和ケアチーム)の一員として、痛み等のつらさ、お気持ちのつらさ・不安、仕事や家族に関することなど様々な『つらさ』を少しでも和らげ、ご自分らしく過ごせるよう様々な専門職種と連携しケアを提案することです。
患者さんやご家族との対話を大切にしています。対話の中で「この人になら安心して話せる」と思えるような信頼関係を築いていきたいと思っています。そして、お気持ちに寄り添い、「自分らしく希望をもって生きる」ための方法をともに話し合い支援していきたいと考えています。お一人で悩まず、困ったときはいつでもご相談下さい。
がん化学療法看護認定看護師
当院にはがん化学療法看護認定看護師が3名おり、外来化学療法室・病棟にて勤務しています。
近年のがん治療は、複数の抗がん薬を組み合わせた治療や抗がん薬と放射線治療の併用療法などが行われ治療効果を上げています。また、従来の抗がん薬とは異なった副作用が出現する可能性がある免疫チェックポイント阻害薬も適応疾患が増え、多くの患者さんが使用されています。
私たちは、患者さん・ご家族が納得した治療法を選択し、安心して治療が続けられるよう治療開始前よりサポートしています。抗がん薬治療と聞くと副作用を心配される方が多くいらっしゃると思います。少しでも不安が緩和され、その人らしく治療を続けられるよう多職種と連携し、患者さん一人ひとりに寄り添った看護を実践しています。
がん性疼痛看護認定看護師
緩和ケアチームの専従看護師として活動しています。活動内容の主なものとしては、チームに依頼されたがん患者さんとご家族の困りごとについて、どのような治療と看護ケアが必要なのかを他職種と共に話し合い計画・実践することです。患者さんとご家族の目標が可能な限り達成されるように支援しています。
がん患者さんの多くは痛みを抱えていますが、痛みは主観的な感覚体験であり、私たち医療者だけで疼痛治療の効果を評価することはできません。患者さん自身はどう感じているかを確認することが重要です。痛み以外の身体的苦痛症状、心のつらさも併せ持っていることが少なくないため、活動時間の許す限り患者さんにお会いし腰を据えてお話を聞くようにも心がけています。状況によっては、アロマオイルを活用したり、リンパドレナージを行うこともあります。
チーム医療の力が十分に発揮されるように、依頼先の主治医と病棟看護師、リハビリテーション部門、栄養科など多職種と密にコミュニケーションをとって活動しています。
訪問看護認定看護師
「訪問看護認定看護師」の役割は、「病院と地域をつなぐこと」です。
患者さんとご家族が、住み慣れたご自宅で過ごしたいのか、病院や施設での療養を希望されるのか―そのお気持ちを尊重しながら、その時々に最善の選択ができるよう支援しています。
外来受診の段階から退院後の生活を見据え、当院のスタッフだけでなく地域の医療・介護職とも連携し、安心して退院を迎えられるよう準備を進めます。必要に応じて、退院前に患者さんのご自宅を訪問し、療養環境の確認や支援体制の調整も行っています。また、退院後に当院の看護師が自宅を訪問し、不安の軽減や生活支援につなげる取り組みも行っています。
これからも、患者さんとご家族にとって最も良い形で療養生活を支えられるよう、病院と地域の架け橋として努めてまいります。
感染管理認定看護師
感染制御室を拠点に感染管理認定看護師3名で組織横断的に感染管理活動を行っています。
活動の目的は、「患者・家族(面会者)・職員を感染から守ること」です。入院中の患者さんの多くは、免疫力が弱り感染しやすい状況にあります。治療目的で入院した方が新たな感染症にかからないために院内の感染症の発生状況を把握し、感染拡大を防ぐための対策を行わなければなりません。また、病院で働く職員自身も感染しないような環境を作る必要があります。そのために感染制御チーム(Infection Control Team : ICT)でカンファレンスや院内ラウンドを行い、院内感染対策の向上に日夜取り組んでいます。また、感染症診療支援のため、抗菌薬適正使用支援チーム(Antimicrobial Stewardship Team:AST)の活動も行っています。更に地域連携も重要な活動です。船橋保健所・習志野保健所の保健師と管轄内の感染管理看護師がIC-FuNKY(それぞれの市の頭文字)チームを組み、情報交換や高齢者施設等の職員向けに講習会を実施し、地域全体の感染対策向上に取り組んでいます。
感染管理の合言葉は「病原体を持ち込まない!持ち出さない!拡げない!」です。そしてこれらの実行に欠かせないのが手指衛生です。病院職員はもとより、患者・家族等病院を訪れるすべての人が正しい手指衛生を実行できるように啓発していきたいと思います。
糖尿病看護認定看護師
日本看護協会糖尿病看護認定看護師の認定を受け、看護外来で糖尿病患者さんの療養支援を行っています。対象患者さんの年齢は学生さんから高齢の方まで幅広く、主にインスリン注射を行っている方を支援しています。現在は特定行為研修を修了してインスリン量の調整も含めて行っています。
糖尿病は一生のお付き合いとなる病気ですから、ライフステージに応じて課題や悩みが変化し、例えば介護役割が生じてご自分のことを中心に考えられない時期がある等さまざまな状況が見受けられます。このような中でも治療を続けるには根気と努力が欠かせません。
糖尿病治療は日常生活に密着している為、治療と生活との両立は容易ではありませんが、患者さんと共に具体的な作戦を考え、患者さん自身が「できる」と思い行動してくれるような関わりを目指しています。糖尿病があっても健やかに幸せに生活を送ってほしいと願い活動しています。
手術看護認定看護師
手術はチームで行われるため医療者間の連携が重要です。患者さんがスムーズに手術に臨むことができるよう手術室と病棟間、医師との調整を行っています。
また、三次救急病院として、すぐに手術に入れる体制や緊急の手術であっても、安全に対応できる看護師の育成を行っています。
手術室看護師として、患者さんと関わる短い時間の中で信頼関係を築き、アドボケーターとして意見が言えるよう、アセスメント力向上に日々取り組んでいます。認定看護師として、勉強会の開催や指導を行い、手術室看護師の育成を行なっています。
乳がん看護認定看護師
現在日本人女性の9人に1人が乳がんに罹患するといわれ、乳がん患者さんは増加しています。患者さんの年齢層が幅広く、生活背景や治療経過なども様々です。その人らしさを大切にし、手術の術式や治療方法を共に考え、意思決定ができるように支援しています。またがん再発や転移への不安、出産や育児について、仕事、家庭などの多種多様な不安や困難を抱える患者さんやその家族に寄り添った看護をしていきたいと考えています。
令和7年度より乳がん患者外来を新たに開設し、より一層、皆さんに寄り添った乳がん看護が提供できる体制を整えました。ご希望の方は、当院乳腺外科外来へお問い合わせください。
摂食・嚥下障害看護認定看護師
毎日の食における摂食嚥下は、生活の一部であり、楽しみや喜びのひとつでもあります。摂食嚥下障害の要因は多岐にわたりますが、近年加齢や低栄養による影響も増加の一途を辿っています。また、急性期においては、突然の発症や入院によって食べることができない期間が生じることも少なくありません。そのため、誤嚥性肺炎の予防を含めた機能的口腔ケアを行い、嚥下や口腔機能の廃用予防、維持、改善に向けて入院早期から介入を始めています。さらに摂食嚥下機能評価や適切な食事形態の選択を行い、一日でも早く経口摂取が再開できるように日々活動しています。「むせるから食べられない」ではなく、「どうすれば安全に食べることができるのか」をスタッフと共に考え、摂食嚥下のケアができるように看護師の育成も行っています。
患者さんやご家族の「食」への想いを支え、味わう楽しみが一日でも早く実現できるように、そしていつまでもおいしく、楽しく口から食べ続けられるように多職種や地域と連携しながら支援していきます。
認知症看護認定看護師
認知症の人の視点を重視して、「その人らしさ」を支える看護が目標です。退院調整看護師の経験を活かし、患者さん・ご家族の入院中と退院後の療養生活をサポートし、急性期の場から住み慣れた場所で生活できる支援を多職種で実施していきたいと思っています。
2023年に特定行為研修(精神及び神経症状に係る薬剤投与関連)を終了し、医師の指示により、抗精神病薬・抗不安薬・抗けいれん薬の投与が行えるようになりました。手順書に基づいての特定行為によりせん妄や認知症者の行動心理症状に対する薬剤調整だけでなく、予防的観点で薬剤調整や早期対応を個別的に実施し、状態の遅延・悪化を防ぎたいと考え多職種で協働して活動しています。
脳卒中リハビリテーション看護認定看護師
脳卒中は突然発症し、なんらかの後遺症が残ってしまう可能性が高く、社会復帰に時間を要することがあります。そのため、急性期から多職種で関わり、重篤化を回避するための全身状態の観察、早期離床や日常生活動作の再獲得のために支援していきます。
活動内容として、月に1回の活動日に、院内の脳神経疾患患者さんのもとに伺い、入院生活のお話を聞きながら、退院までの今後の予定や退院後に気を付けていただきたいことなどをお話ししています。また、当院には入院患者さんを対象とした「脳卒中相談窓口」があり、これからの生活への不安や、病気について知りたいことなど、医師、リハビリテーション科、栄養士、薬剤師、ソーシャルワーカー等の多職種で対応させていただいています。
脳神経疾患は、排泄機能にも影響をもたらすことがあり、「排尿ケアチーム」を立ち上げて、泌尿器科医師、理学療法士とともに、自立した排泄への支援も行っています。
脳卒中は、予防できる疾患です。今後は、地域の皆様に「脳卒中10か条」等をお知らせできるように活動していきたいと考えています。
認定看護管理者
患者やその家族・地域住民に対して、信頼される医療と質の高い看護提供を目指し、看護の水準維持・向上を図り、保健医療福祉に貢献したいと考えます。そのためには、看護師の教育体制を整備し、また、やりがいを持ち働き続けることができるよう職場環境の改善に努めています。
※資格等についての問い合わせ:船橋市立医療センター TEL:047-438-3321