新人職員研修プログラム:栄養管理室
Ⅰ 一般目標(GIO:General Instructional Objective)
新人管理栄養士として病院の栄養管理業務を理解し、自律的に行動する基礎力を養う。栄養 アセスメント、食事指導、給食・衛生管理、リスクマネジメント、部門運営を習得し、安全で効果的な患者中心の栄養ケアを提供できる力を身につける。倫理観・責任感を持ち、他職種と連携しながら業務改善と自己研鑽を継続できる人材を目指す。
Ⅱ 行動目標(SBOs: Specific Behavioral Objectives)
1)臨床栄養業務を理解し、適切に栄養指導・栄養管理ができる。
2)給食・衛生管理を理解し、適切な食事提供、衛生管理ができる。
3)部門内のリスク管理を理解し、予防策と緊急時対応ができる。
4)部門目標を理解し、部門目標に沿った自己の目標を設定し取り組むことができる。
5)倫理観を持ち、他職種との連携と自己研鑽を通じて専門性を高めることができる。
Ⅲ 学習方略(LS:Learning Strategy)
1)必須事項:自施設のマニュアルを参照し、自主学習を行う。治療食指針、献立表、衛生管理関係の帳票類を参照し、給食管理業務の流れを理解する。
2)栄養指導業務:栄養指導症例のカルテより、栄養食事指導に必要な情報を収集し、教育内容を検討し、シミュレーションを行う。先輩栄養士の栄養指導に同席し、学習する。先輩栄養士指導のもと、栄養指導業務を経験し、フィードバックを受ける。
3)栄養管理業務:病棟の患者を受け持ち、栄養スクリーニングやアセスメントを実施し、栄養計画の立案、モニタリング、ミールラウンドから、再評価・計画の見直しなどを経験する。栄養管理計画・評価について先輩栄養士の指導を受ける。
4)チーム医療・カンファレンス:先輩栄養士のカンファレンスへ同行し、管理栄養士としての役割対応を理解し、自ら経験する。
5)ケーススタディ
事例検討過去の患者事例やインシデント例をもとに、課題解決型学習(PBL:Problem-Based Learning)を実施。
6)院内・院外研修への参加
院内研修でのリスクマネジメント、接遇研修、医療安全研修。
学会・研究会、勉強会を通じた最新知識の習得を推奨。
7)情報共有の促進
栄養部門内での「業務改善提案」や「最新情報共有会」を実施。
Ⅳ 学習評価(Ev:Evaluation)
1)評価の基本方針
(1)目的:業務遂行能力、専門知識、態度・責任感の習得状況の確認
(2)対象:知識、技能・態度・コミュニケーション能力・リスク管理意識
(3)方法:他者による観察評価、成果物の確認、実際の業務を通じたアウトプット評価、面談
(4)タイミング:初期評価、中間評価、後期評価
2)評価の具体的内容
(1)業務成果物の確認:栄養指導記録、栄養管理計画書、カルテ記載内容、献立点検記録、インシデント報告書、ミーティング記録等、実際の業務を通じたアウトプット評価
(2)態度・責任感・コミュニケーション評価:日常業務での行動を観察し、以下の点を評価
時間管理・業務の正確性、他職種・患者との接し方、リスク感覚の有無(ヒヤリハット報告の姿勢など)
3)評価のタイミング
初期評価:配属~2か月以内、中間評価:3~6か月、後期評価7~9か月