新人職員研修プログラム:臨床検査科

Ⅰ 一般目標(GIO:General Instructional Objective)

臨床検査科は臨床検査技師として診療の基本となる臨床検査の各分野を理解しISO15189に基づき業務を遂行できる知識・技術・態度を身につける。初期研修では具体的には採血、輸血検査、診療に必須な検体系検査データの見方を習得する。また、担当する部門の技術の取得と自律的に行動する基礎力を養う。

Ⅱ 行動目標(SBOs:Specific Behavioral Objectives)

1)ISO15189について理解する。
 品質マネジメントシステム(QMS)、業務プロセス及び手順、安全衛生、劇毒物管理、感染予防対策、倫理、患者の守秘義務、接遇、防災を理解し実行する。

2)採血業務: 接遇、採血前の対応、採血手技、採血後の対応を学び実践できるようにする。

3)輸血検査: 輸血の安全性の向上および適正輸血をしっかりと研修する。血液型検査、交差適合試験など輸血検査の理解と実施できるようにする。

4)検体系検査: 病態と臨床経過を観察し、基本的臨床検査を実施、検査データを解釈し報告できる。
以下の当直業務を実践し報告できるようにする。
 (1)血液検査
 (2)生化学検査
 (3)血液ガス分析
 (4)髄液検査
 (5)感染症検査

5)担当する各部門の基礎知識と標準作業手順(SOP)を学び実践する。
 (1)採血部門
 (2)臨床化学部門(一般検査、血液検査、免疫生化学検査)
 (3)緊急検査部門(輸血検査)
 (4)微生物部門
 (5)生理機能部門
 (6)病理検査部門

Ⅲ 学習方略(LS:Learning Strategy)

1)ISO15189のQMS、各種マニュアルを参照し自主学習を行う。

2)臨床検査科の集合研修への参加
 品質マネジメントシステム、業務プロセス及び手順、安全衛生、劇毒物管理、感染予防対策、  倫理、患者の守秘義務、接遇、防災、技術や知識を学ぶ。

3)検査手順に関する技術的な機械研修(OJT)
 各部門のSOPに基づき、技術的手順を説明のもと観察、指導を受け実施する。
 採血業務、当直業務は指導後3~4カ月実技訓練のもと業務開始する。

4)防災訓練に参加し、臨床検査科の集合研修で報告する。

5)新人目標到達度チェック
 力量評価、スキルマップで進捗状況を可視化・振り、指導者からのフィードバックを受けることで、自分の状況を知る。

6)院内・院外研修への参加
 院内研修では医療安全研修、感染対策研修、リスクマネジメント、接遇研修などで医療人としての姿勢を身につける。
 学会・研究会、勉強会を通じた専門的な知識と技術の向上、最新知識を習得する。

Ⅳ 学習評価(Ev:Evaluation)

1)ISO15189の教育訓練規定に基づき、各部門での新人教育マニュアルに沿って力量評価を行う。
 (1)管理上の力量評価は半年後と1年後、力量評価表を用いて行う。
 知識および専門性を発揮する力量(職務能力)のほかに、必要な職務を遂行するための知識、能力(実行力、協調性、判断力など)を部門責任者と臨床検査科技師長が評価する。
 (2)技術上の力量評価は教育訓練後6カ月以内、1年後にスキルマップを用いて行う。
技術的な自己評価を行い、指導者、部門責任者、臨床検査科技師長)が評価する。

2)一定の基準満たなかった場合は、部門責任者が再教育行い再度力量評を行う。

3)教育の結果は記録として保管する。