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船橋市病院事業管理者
丸山尚嗣

 当院は、昭和58年(1983年)に、救急医療とがん診療など高度の医療を行う病院として152床で開院しました。以後、市民の皆様や関係医療機関の方々に育てていただき、令和5年(2023年)には開院40周年を迎えることができました。この40年間における地域の人口増加、医療需要の増大に伴い増床を繰り返して、現在は449床の地域中核病院となっています。平成6年(1994年)にドクターカーシステムを配備した救命救急センターを開設、平成8年(1996年)に災害拠点病院、平成9年(1997年)に臨床研修病院、平成19年(2007年)に地域がん診療連携拠点病院、平成22年(2010年)に地域医療支援病院、平成24年(2012年)にDPC病院Ⅱ群(現在のDPC特定病院群)の指定を受けるなど、船橋市を中心に東葛南部地域の高度急性期医療を担っています。

 本格的な少子高齢化社会を迎えて、多くの病気をかかえる高齢者が増えています。今後も誤嚥性肺炎・心不全・転倒による骨折などの救急受診が増えて、船橋市消防局の推計によると20年後まで救急搬送が増加し続ける見通しです。限られた医療資源のなかで地域医療を守るには、各医療機関が役割分担し連携して効率的に医療を行う必要があります。そのなかで当院の担う役割としては、他の医療機関では対応が難しい救急疾患(例えば脳卒中・心筋梗塞・多発外傷など)の超急性期医療や、高齢化とともに今後も罹患者が増える癌に対して最新かつ低侵襲な高度医療を提供することがメインになると思います。救急医療については、3次救命救急センターとして地域の最後の砦となり市民の皆様の命を守るために日々奮闘しています。がん診療については、平成30年(2018年)にロボット手術を導入し、また令和5年(2023 )にがんゲノム診療連携病院に指定されるなど、低侵襲で患者さんに優しい先端医療を取り入れています。

 このように診療機能を強化しながら急性期病院として進化してきましたが、開院から40年が経過して病院の老朽化ならびに狭隘化が進んでおり、患者さんや医療機関の方々のニーズに充分応えられず、ご迷惑をお掛けする状況となっています。今後将来に向けてこれら当院が担うべきことを過不足なく遂行できるよう病院建替えを準備しています。コロナなどの影響で当初の開院予定より4年ほど遅れておりますが、その間を無駄にせずに感染症対策や災害対策など、より良い病院を目指して検討を重ねております。

 今後も安定した経営のもとに、皆様に信頼される病院、職員が生き生きと働ける病院を作っていきたいと思います。

船橋市病院事業管理者 : 丸山 尚嗣