がん診療について

高いレベルのがん治療の実践で
地域連携の中心的な役割を果たします

当院は東葛南部二次医療圏に3つある地域がん診療連携拠点病院の一つとして、質の高いがん医療を提供しています。専門的ながん治療を実践するとともに、地域の医療機関との連携の中心的な役割を担っています。がん治療を終えた患者さんは地域のかかりつけ医の先生にお戻しし、一緒に診ながらサポートをしていきます。当院では、大学病院やがん治療に特化した医療機関にも決して引けを取らない、高いレベルのがん医療が提供できる体制を整えていることが特徴です。

5大がん(胃がん・大腸がん・肺がん・肝臓がん・乳がん)はもちろん、発症頻度の低いがんに対しても、手術、放射線治療、化学療法からなる集学的ながん治療で豊富な実績を誇ります。平成30年には手術支援ロボットを導入し、泌尿器科での手術を開始したほか、今後はさらに実施する範囲を広げていく計画です。また、緩和ケア病棟を20床有し、この地域では「がん難民」をつくらないことをモットーとして、地域を支えるがん医療を提供してまいります。

診療科の垣根を越えた連携体制で
最善な治療法の提案をめざします

キャンサーボード

当院のがん診療体制では、診療科の垣根を越えた連携にも強みがあります。その一つが5大がんの患者さんに対する「キャンサーボード」です。キャンサーボードとは、担当する診療科の主治医をはじめ、病理診断科、放射線科、腫瘍内科の医師やコメディカルスタッフが集まり、それぞれの専門分野の意見をもとに話し合いながら、患者さんにとって適切な治療方針を決定するものです。がん治療は専門ごとに細分化が進んでいるため、チームとして取り組む必要があります。

平成31年に開設した乳腺センターでは、乳房を部分切除する乳房温存療法に力を入れるとともに、乳房全摘出例では形成外科の医師と連携した乳房再建手術も手がけています。温存のためには手術中の病理診断と再発予防のための放射線治療が欠かせませんが、当院ではこれらすべてを院内で対応できます。年々、乳がんの手術件数は増えており、現在246件の実績を誇ります(平成30年4月1日~平成31年3月31日)。さらに遺伝カウンセリング外来を開設し、遺伝性がんの検査や予防にも取り組んでいます。

安心・安全をめざしたがん治療で
患者さんをきめ細かくサポートします

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がん治療においては、手術だけでなく放射線治療や化学療法も重要です。放射線治療ではIMRT(強度変調放射線治療)ができる放射線装置を導入し、ピンポイントでがんに照射することが可能になりました。他の臓器に当てずに照射できるため、合併症を抑える効果が期待できます。
化学療法では外来化学療法室のベッド数を19ベッドに増やし、より多くの患者さんに対応できるようになりました。近年開発され、高い治療効果が期待できる免疫チェックポイント阻害薬は、全身の色々な臓器に副作用が出る可能性がありますが、当院では診療科が幅広くそろっているため、これらにしっかり対応ができる体制です。患者さんにとって万全の環境で治療を受けていただけます。

また、平成31年に緩和ケアセンターを立ちあげ、よりきめ細かいサポート環境を整えました。がんの診断がついた時点から、外来や病棟でサポート・ケアチーム(緩和ケアチーム)が積極的に関わります。治療に伴う痛みなどの身体的なケアはもちろん、がんに対する不安を抱えた患者さんへの精神的なケアにも力を入れてまいります。